秋色に染まったガーゼを張替えるとき
隙間から見えた小さな弱い指
その手で僕を殺したら
その手は僕色に染まるの
細い指の爪が割れて
僕はその赤い爪を嘗める
取り除かれたガーゼを騒音に浸す
もう 誰にも触らせない
(真紅で深紅の辛苦)